第七章
「……、」
暫くの間だけ見惚れて。
「ラディス」
ふ、と笑みをこぼす。
「その子がルーティか?」
遅れて出てきたフォックスはたったいまルーティを抱いて立ち上がったラディスに、横から近付いて声をかけた。ラディスは振り向いて。
「……可愛いだろ?」
途端に、にやり。
「親バカになるなよ」
「手遅れかもなぁ」
フォックスはくすくすと笑って。
「……そんな気がするよ」
手を伸ばしてみて、此方に視線が向けられたので躊躇。ラディスが抱き直して微笑するので、フォックスは恐る恐る髪を撫ででみる。対するルーティはぴくっと小さく体を反応させて目を瞑り、ゆっくりと開いてきょとんと見上げた。そして。
「わんわんっ!」
か、
可愛い……!