第二章
「はー……」
程なくして洗面所から出てきたのはラディスである。若干方向音痴気味である彼も、この場所だけは真っ先に記憶していた。
「さて、と」
廊下に出て辺りを見回す。
一階を歩き回っていればいずれは行き着くだろうが、クレシスにばれたら厄介だ。
とりあえず歩くことにする。角に差し掛かり、こっちだったかと顔を覗かせたその時だった。二つの人影を見つけたのだ。
「どうして……」
声をかけようと口を開いたが、先に声が聞こえてきたので反射的に口を閉じた。
「昨日の今日ですよ。そんな」
「調べたからに決まってるじゃないか」
此方を向いているのは緑色の服が特徴的な少年、リンクだった。そして彼が向き合い、此方に背を向けていたのは――
「少し驚いたよ。民がどう思うかな」
あのルイージである。