第二章
フォックスとドンキーがそれぞれワープパネルの上に乗ると、青い光が二人の体を包み込み、やがて粒子となって消えた。
同時にモニター画面の表示が変わり、映像が映し出された。ステージ、だろうか。
幾つかの足場が浮遊しており、戦いの舞台になるであろうそこも空に浮かび、孤立している。成る程、幾ら体力が残っていようが落ちれば場外で即失格なのだろう。
「おっ」
間もなく、両側に青い光と共にフォックスとドンキーが現れた。マスターは双方が構えを取ったのを見ると、機械に備え付けられたマイクを通して口を開く。
「では、始めてくれ」
モニターからは音も声も聞こえてこなかったが、映像の二人が拳を交えると皆が息を呑んで見守っていた。
皆、声を上げて応援出来る程、余裕ではないわけだ。……とは思ったものの。
「っ、」
自分も余裕がない。ラディスはゆっくりと集団から離れ、気付かれないようにバトルルームから退却、一気に駆け出して。