第二章
ワープパネルへと向かうフォックスに、ラディスはどう声をかけようか迷っていた。
下手に励ましたりしたら、さっきのマリオみたいに不快な思いをさせるかも……散々迷って、ラディスはぐっと拳を握る。
「フォックス!」
呼ばれた本人はびくっと肩を跳ねさせて。
「……お」
ラディスはごくりと息を呑み、
「男なら! 拳で語り合え!」
暫しの沈黙の末、
「……ぷっ」
フォックスは思わず吹き出して。
「何だよそれ」
「えっ」
「父ちゃんみたいなこと言うなぁ」
ドンキーも釣られて笑う中、ラディスは。
「あ……じ、じゃあ、いってらっしゃい」
遠慮がちに言い直す。すっかり緊張が解れた様子のフォックスはふっと笑って。
「ん、また後でな」