第六章



「うきー!」

……これは何処から突っ込むべきなのか。

「てめえらバトレンジャーだな!」
「あ、はい」

ラディスだけではない。五人全員が呆気にとられていた。

なんとそこにいたのはヒーローショーで戦いを演じていた、悪役集団ドクドクロの下っ端だったのだ。それが五人、いや六人、道の先で此方を睨みつけている。

「ここから先は意地でも通さん!」
「……はあ」

ラディスは少し考えた後で、

「じゃああっちから行こうか」
「待て待て待てーいっ!」

下っ端の一人、案の定手を突き出して止めた。

「お前たちがそれを上回る意地でここを突破しなくてどうする!」
「え、だって他にも道はあるし。通さないというのなら別に」
「この先に何かがあるという考えには至らんのか!」

悪役が通せんぼしてるんだぞっ、と腹を立てている辺り、可愛い。

「何があるんでしょう」
「ふ、そいつぁ自分の目で確かめてみるんだな」
「だって俺たちを通さないつもりだろ?」
「当たり前だ」

ふん、とその下っ端が鼻を鳴らすと。

「……やっぱり別の道から」
「俺たちを避けて通ろうとするな! 倒せ!」

騒がしい人たちだなぁ……
 
 
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