第二章



現在、モニターには対戦の映像の代わりに、トーナメント表が映し出されていた。

「もう出ていたのか」
「何とかよりはやーい! でしゅねっ」

ユウとリムは口々に、近くで見ようとラディスの元を離れた。すると、入れ替わるようにサムスが此方にやって来て。

「貴方、ラッキーだったかもね」

ラディスは目を丸くする。

「……君が相手か?」
「それも面白そうだけど」

サムスはモニターを振り返って。

「一戦目、貴方は不戦勝よ」


……えっ?


「ふ、」
「馬鹿っ。周りをよく見ろ」

クレシスに口を塞がれて、ラディスは繰り返し頷いて辺りに視線を巡らせる。

昨日が初顔合わせ、今日が実戦。互いの実力が知れる大事な戦いなのだ。こういうぴりぴりとした空気になるのも仕方ない。
 
 
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