第六章



「君たちは……」

懐中電灯で照らしだし、目を丸くしたのは警備員の男。

思わず声を上げそうになったが、どうにか抑えた。まさかこんなにも早く見つかることになるなんて。いや待て落ち着くんだ。まだ正体がばれたわけじゃ――

「まさか、バトレンジャーの……」

アウトォォォ!

「くっ」

全員、考えることは同じだった。

手荒で申し訳ないがここは気絶させるしかない。リスクは高いがそれしか方法がないのだ。五人が途端に目の色を変えて踏み出してくると警備員の男は慌てて懐中電灯を床に落とした。続けて尻餅をついた、そのタイミングでマルスの蹴りを躱したがこれ以上は。警備員の男は片手を前に突き出して声を上げた。

「ま、待ってくれ!」

ラディスは腕に青い稲妻を走らせる。

「依頼したのは私だ!」


……え?


「き、君たち。DX部隊だろう」

それぞれが構えを解くと、警備員の男は短く息を吐き出して。

「私が依頼人のバーナードだ」
 
 
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