第二章
「トップを競って戦うんだ。敵なんだよ」
マリオはラディスを睨み付けて。
「それを、一緒に頑張ろう?」
「兄さん」
ルイージが小さく声をかけると、マリオははっと口を閉じた。一先ず落ち着こう、とゆっくり呼吸を繰り返す。
「……とにかく、一番になれるのは一人だけなんだ。馴れ合うつもりはない」
そう言い残して、マリオは背中を向けると歩き出した。後を追うルイージは一旦振り向いたが、すぐに正面を向いて。
「感じ悪いでしゅねぇー」
「言い方の問題だな」
ちょうどその場に居合わせたリムとユウは、口々にラディスの元へ。
「何で……」
「あんなの! 気にすることなんか」
「弟の方が背が高いんだ?」
飛び蹴り。
「く、クレシス。今からその、バトル」
「お前もう見学してろ」