第一章
食事を終えてからは荷物の整理、そして屋敷内の探索をしているだけで時間はあっという間に過ぎていった。
夕食も終えて皆が寝静まる頃、風呂上がりのラディスは食堂に立ち寄っていて。
「駄目よ」
そっと冷蔵庫の扉を開けようとするラディスを呼び止めたのは、金髪の少女である。
「戦士が何を考えているのかしら」
溜め息を洩らすこの少女は、サムス。
話しかけられたのは初めてだが、リムと話しているのを見た。見た目はクールでも、彼女とは打ち解けたらしい。
「はは……その、気分転換かな」
苦笑気味に答えるラディスも、何も考えていないわけではない。あの時の青年のことだってちゃんと気にかけているのだ。
「……私、酷いことを言うけれど」
サムスは腕を組んで。
「考えるだけ、無駄じゃないかしら」