第一章



「……ん?」

とある視線に気付いてラディスが振り返ると、その少年はさっと椅子の後ろに隠れてしまった。が、すぐにそろそろと顔を出したのを見て、ラディスはにこり。

「君も一緒に食べるかい?」

そう声をかけると、思いの外ぱあっと表情を明るくさせて少年は駆け寄ってきた。

「お前、ほんと子供好きだよなー」

ようやくファルコから解放されたクレシスは、テーブルに頬杖を付いて。

「いいじゃないか。……君は?」
「ドンキーゆうねん!」

彼は、関西弁を喋る子供だった。

「なあ、兄ちゃん達もう友達なったん?」
「そりゃあ」

ラディスが視線を向けると、同時に他三人は視線を逸らした。わざとである。

「ちょ、不安になるからやめ」
「ええなー、仲良うて」

ドンキーは近くの椅子に腰を下ろして。
 
 
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