第五章
マスターはすっと視線を上げた。
「残念ながら。自分は彼らの管理下であり、そこの屋敷の主となる者」
「本物のリーダーは?」
「恐らく屋敷に」
その時、扉の開く音がして。
「あそぼー!」
元気よく飛び出してきたのはポポとナナだった。
「もう。あまりはしゃいでると転けちゃうよ」
「放っとけ放っとけ。子供なんてのは怪我してなんぼだろ」
続けて出てきたのはルイージとマリオ。そして最後、眠気が抜け切っていないのか大きな欠伸を洩らし、かと思えば小石に躓いたのか派手にすっ転んで、
「ぅごふっ!?」
と、奇声を上げたのは言うまでもなく。
「おまっ、なんでお前がこのタイミングで転けるんだよ!」
「な、何でだろうな……」
……ラディスである。
「だっ大丈夫?」
「ああ……」
「いやお前鼻血! 鼻血!」
「え、何処に!?」
「鼻だよ!」
騒がしいことこの上ない。
「何? あんなすっとぼけたのもこの部隊のメンバーってわけ」
「マルスっ」
「あの男こそDX部隊の指揮を取るリーダー」
マスターはにやりと笑って。
「……ですが、何か?」