第五章
「おれっ、五歳です!」
「わたしもー!」
口々に手を挙げたのはポポとナナ。
「それでねっ、ドワーフって種族なんだよー!」
ラディスは膝に手を付いて姿勢を低くし、視線を合わせる。
「どんな種族なんだ?」
「小さくてー……力持ち! すっごく!」
道理で、彼らはその小さな体で自分と同じ背丈くらいあるハンマーを難無く振り回しながら戦えるわけだ。小さい、というのは恐らく種族全体が小柄なのだろう。例えば二十歳になったところで、彼らは相変わらず小さいかもしれない。
「仲が良いんだな」
「おれとナナは一心同体なんだ!」
「ずっと一緒なの!」
ねー! と顔を見合わせて笑い合う、ポポとナナ。
「こりゃ将来が楽しみだな」
「兄さん……」
にやにやといやらしい笑みを浮かべるマリオにルイージ、溜め息。
「そっか」
ずっと一緒。一心同体、か。
「だからポポ、嘘はめっめっだからね」
「むぅ、それはナナもだよー」
微笑ましいやり取りに、思わず見惚れてしまう。
「嘘ついたら、すっごくすっごく悲しいんだからっ」
「分かってるってばぁー!」
「はいはい。こんなところでたむろは駄目ですよぉ?」
その時、タオルで手を拭きながらヨッシーがやって来て。
「せっかくいい天気なんですから。ほらぁ、お外にゴーですぅ!」