第一章
荷物の整理を一旦中断し、フォックス達と共に食堂へ向かう。気付けば正午をとっくに過ぎており、他のメンバーは既に食事を済ませたのか食堂はがらんとしていた。
「じゃ、次は……」
注文をしようと奥の受取口まで進むと、先客がいた。先に気付いた調理役のヨッシーの視線に釣られ、振り返ったその先客に、ファルコは目の色を変えて。
「……やっぱいいや」
「あっ」
街中で罵倒してきた青年だった。
一瞬、ラディスに視線を送ったかと思えばふいと逸らし、早足で食堂を後にして。
「感じわりーな」
「あのっ」
ファルコは振り向いて。
「ぁ、その……えっと」
目が合った途端、ヨッシーはさっと視線を逸らし、ぼそぼそとした小さな声で。
「何……食べますか……?」