第四章-後編-
何気なく無線で話しかけて、応答したのはなんとマスターだった。
「……この分だと合流はしたようだな」
叫び声が耳に響いたのか返事は遅れたが、マスターはくすっと笑って。
「ど、どういうことかな……?」
口角をひくひくとさせながら、ラディス。
「別に無線機がその五つだけとは言っていない。それに、使い心地は保証しないと前以て説明しておいたはずだ」
そういえば。……っじゃなくて!
「説明不足にも程があるだろ!」
「自業自得でしゅ!」
おう。今度は別の声が返ってきた。
「勝手すぎましゅ! たった五人で組んで、飛び出して……」
これはリムの声だが、何処か鼻声だ。ラディスは思わず口を閉じて。
「……ラディス。大人なら、あまり子供をからかうな」
次に聞こえてきたのはユウの声。
ああ、そうか。善かれと思ってやってきた自分の行動が、こんなにも彼らを不安にさせてしまっていたんだ。自分の中では分かっていたはずなのに、あの時は。
命懸けじゃない。ただ、投げ遣りで。
「……うん。絶対帰るから」
「当たり前だ」
「でしゅ!」
今度は二人が声を揃えた。
「クレシス」
「……なんだ」
ラディスは振り返って、微笑。
「心配かけて、ごめんな」