第四章-後編-
……はっ。
気付けば抱き合う二人をマリオやフォックス達が横並びになって興味深そうにじっと見つめていた。クレシスは慌てて突き放し、立ち上がって咳払い。
「お、大袈裟なんだよ。ったく」
照れ隠しだ。ふいと顔を背けるクレシスにラディスだけでなく、全員がくすくすと笑った。クレシスは誤魔化すようにふんと鼻を鳴らす。
「……でも、どうしてここが?」
ラディスはふと、リンクを見つめる。
「君だって……」
あの時、彼はダークリンクの言動に酷くショックを受けて無気力化していた。立ち直るには時間も浅いし、だから駆けつけたにしても展開が早すぎる。
何が、彼をここへ導いたのだろう。
「……それ」
リンクが指差したのはラディスの無線機である。
「これが、どうかしたのか?」
「知らなかったんですね。……でも、それなら安心しました」
ラディスは疑問符を浮かべる。
「筒抜けでしたよ」
ぱちぱちと瞬きをするラディスにもう一度、リンクはにっこり。
「ばっちり、筒抜けでした」
んん?
おいおいちょっと待ってくれ。
まさか自分、あろうことか無線機のマイク設定をオンのまま今まで戦ってたわけじゃないだろうな。いや落ち着け、無線機はあの五つだけだったはず……
「……もしもーし」
「なんだ。魔王はもう倒し」
「っぎゃー!?」