第四章-後編-
「せいっ!」
カービィが構えたパチンコの玉を放つと、それは見事大きな一つ目が特徴だった魔物の目玉に命中。緑色の液体を噴出しながら天を仰ぎ苦しみ、やがて消滅した。
と、何処からか鳴り響いた効果音に誰もがびくっと肩を跳ねさせて。
「……あ、そうか」
慣れないものだ。これはその部屋の魔物を全滅させたり仕掛けを解いた時、祝福するように鳴る音なのである。そしてそのご褒美、宝箱が何処からともなく現れて。
「本当、凝っているな……」
「凄いよね。どういう仕掛けなんだろ」
効果音が鳴ったり宝箱が現れる仕掛けに興味を示し、同じように腕を組むラディスとカービィ。一方のマリオは現れた宝箱の所まで走っていくと、跪いた。
「さっきの部屋みたいなのは御免だぜ」
「ダミーに引っ掻き回された挙げ句、本物に入ってたのは矢の束だったからな」
苦い記憶が蘇る。マリオは苦笑気味に宝箱の蓋に手を添えて。
「……開けるぞ」
一言。フォックスとファルコが見守る中、ゆっくりと蓋を持ち上げる。
「てーれーれーれ、てーれーれーれ……」
ここでカービィによる謎BGM。
「てってれれれー!」
「やっかましいわ!」
そのBGMに合わせるようにして宝箱の中から鍵を取り出して掲げたマリオだったが、直後に頬に青筋を浮かべながら振り返り、カービィを怒鳴りつけて。
「いやぁ、なーんか耳に残っちゃってさあ」
「確かに中毒性はあるけどな」
フォックスは苦笑い。
「……カービィ。一つだけいいか?」
真剣な顔付きのラディス。ここでお叱り、かと思いきや。
「そこは確か、てれれれー! じゃなかったか?」
「あー、成る程。やるねぇラディス」
「いやぁ……」
「お前ら帰れ」