第四章-後編-
ガコン、と何かの外れる音がして。
目を向けて見ると、今まさに城門へと渡る為の橋が鎖を引いてゆっくりと此方に下りてきていた。音を立ててそれが設置されると、ラディスはその先の城門を見つめて。
「……そういうこと」
カービィはにやりと笑ってみせる。
「けっ。粋なことをしやがる。来れるもんならってか?」
そう言って、ファルコはラディスに目を向けた。
「どうするよ。俺たち、歓迎されているようだぜ?」
――この城の何処かに魔王が?
そう考えると自然と拳に力が入った。息を呑み、ゆっくりと息を吐き出して本来の目的を思い出す。……そうだ。俺は魔王を倒す為だけに、ここに来たわけじゃない。
一つだけ、確かめたいことがあるんだ。
「……行こう」
ラディスはそう口を開いて、踏み出した。
「ふふん、そうこなくっちゃ!」
「面白くなってきたぜ」
好戦的なカービィとファルコは互いに笑みを浮かべて後を追う。
――ところがラディスは橋の真ん中辺りまで渡ったところで、崩れるようにして両膝を付いてしまい。気付いたフォックスが、真っ先に駆け出したが。
「走らないでくれ!」
ラディスは表情を引き攣らせながら。
「ゆ、揺れる……から」
ここにきて頼りない!?
「きっ軋む音とか苦手なんだよ……!」
「え、高所恐怖症?」
「普通にアーウィンの羽根乗ってただろ」
元に戻ったのはいいけれど。
「さ、先に行っててくれ」
「どうすんの?」
「這って行く」
「それを真顔で言うな」
……かっこ悪い。