第四章-後編-



「五人編成での出動が決まった。一緒に来てほしい」
「え、何処に……」
「ハイラルだよ。ね、ラディス」

そう言って、カービィはちらりとラディスを見遣る。

「……ああ」
「今、ハイラルに向かうのは危険なんじゃ」
「その元を絶つ。なら、問題ないか?」

ルイージははっと目を開いた。

「……魔王を」

無茶だ。どんな能力で攻撃を仕掛けてくるかも分からない、未知の存在なのに。

今回の件で彼らがトライフォースを狙っていることは分かった。が、ならばここで待ち構えていた方が対処もしやすい。それに、ダークリンクとの戦いの直後で誰もが疲労している。回復も兼ねて、自ら現れたところを迎え撃った方が――

「あ、そうか」

理解した様子のルイージに、マリオは疑問符を浮かべる。

「……何がだよ?」
「ダークリンクだよ。言ってたよね、自分は人間だって」

そういえば、あの時――

「クレシスとの戦闘中は、自分主体で動いてたよね。影を操る能力が、人間である彼の体力に依存していたとしたら……待ち構えている余裕はないよ」

成る程、とマリオは頷いて腕を組む。

「だから全快は避けたいと。それに魔王なら、ダークリンクだけ潰したところで蘇生させる恐れがある。……二週間前の、あれだな?」
「うん。ヴァルバジアを蘇生させたのも恐らく、魔王だからね」

マリオはラディスに目を向けた。

こんな状況下で、よくそこまで考えついたものだ。普段はからっきしなのに、ようやくリーダーが板に付いてきたか? ま、それならいいんだが……
 
 
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