第四章-前編-
「おぅわっ!?」
扉を内側に引いた次の瞬間、声を上げて飛び込んできたのはドンキーだった。派手にすっ転んだ彼に続いて、現れたのはユウ。
「な、なんや扉が勝手に……」
ドンキーは体を起こすと、悲惨な光景を目に唖然とした。ばっと立ち上がって、
「なんやこれ!?」
一方、ユウも今回ばかりはその危機的状況に小さく目を開いたまま固まっていた。
「馬鹿! 子供は引っ込んでろ!」
当然ながらクレシスは焦りを感じて。
「お前たちはマスターに。……早く!」
「っせやけど!」
ドンキーが返そうとした、その時である。
「皆ぁ!」
一番連れてきてはいけない人物の手を引いて、少女が駆けつけてきた。
ゆっくりと振り返るダークリンク。
「……ああ」
次の瞬間――これまで以上に不気味な笑みを浮かべ、彼はぽつりと声を洩らした。
「みぃつけた」