第四章-前編-
「デスマウンテンで会っただろうが!」
「ほら、剣で斬りかかってきた!」
「ヴァルバジアの飼い主さんですぅ!」
「……あっ、ああ」
任務に同行していたファルコ、カービィ、ヨッシーが口々に声を上げれば、ようやく思い出したらしくラディスは苦笑い。
「ふぅん。天然系ねぇ……」
「調子が狂うな」
呟くピーチと、呆れ顔でクッパ。
「……ラディス」
クレシスが肘で小突くと、ラディスは改めて気を引き締めた。青年は結晶の表面にそっと触れると、くすっと笑みを溢して。
「安心しな。高度な魔力で構成された結晶の中で一時的に眠らせているだけの話だ」
ラディスはほっと息をついた。
こうして遠目に見ているだけでは結晶の中にいるゼルダが、眠っているのか、或いはどうなのか分からなかったのである。
「……さて。こいつがここにいたんだ」
青年はゼルダを横目に捉えながら。
「いるんだろ? もう一人」
そう言って、ラディスを見遣る。