第三章
「偵察だよ」
カービィは構えを解いて見つめる。
「うちの主がな、ペットに群がる戦士様の顔を拝みにいけってのさ。……でも、ま」
青年はくすっと笑って。
「期待外れ。思っていたのとは違った」
それを聞いたファルコが苛立ちを感じて踏み出そうとしたが、すかさずラディスが腕を伸ばし、その行く手を遮った。
「何もあんたらの腕を見くびってたわけじゃない。それは否定してやるよ」
青年は小さく息を吐き出して。
「……ただ、ひょっとしたらあのヴァルバジアを一人で倒したかもしれない、そんな奴を……俺も主も探していたんでな」
――ヴァルバジアを、一人で?
「おっと。俺が話せるのはここまでだ」
刹那、青年の体は何の前触れもなく、掻き消すようにして消えた。辺りを見回していると、ラディスは背中に殺気を感じて。