第三章
「っと」
青年は後ろに大きく飛び退いて。
ファルコが拳銃を構えたのを、視界の端で捉えたのだろう。青年は暫く警戒していたが、構えを解くと剣を鞘に納めた。
「……ったく。やってくれたじゃねえか」
青年はにやりと笑って。
「うちの“ペット”をよぉ」
まさか。その台詞に、その場に居合わせた五人全員の目付きが変わった。
「おいおい。褒めてんだぜ? 上級の魔物だ。まさかやられるとは思わなかった」
カービィは青年を睨み付けて。
「……目的」
そう言って、拳銃を構える。
「っは、答えろと?」
「いいんだよ? 答えなくても」
二人が話している間に、その青年を他四人が取り囲んでいた。青年はそれに気付いて黙っていたが、やがて諦めたかのように。
「答えりゃいいんだろ」
気怠そうに溜め息を洩らして。