第三章
「あっ」
ヨッシーが小さく声を洩らした。
ヴァルバジアの体が、尾から順々に黒ずんでいったのだ。最終的に頭どころか大きく開いた口の奥まで黒く染まると、やがて、弾けて消滅してしまい。
「……や」
駆けつけたルイージはへなへなとその場に座り込んで。ラディスは拳を振り上げる。
「やったあああ!」
こんなに大きな声を出して喜んだのは、もしかしたら久しぶりかもしれない。
あれは妻が出産した時だったか。
「ったく。大袈裟」
「そうだぞラディス。大人気ねえな」
それぞれ溜め息を吐いたカービィとファルコだったが、ふと目が合うと口元に笑みを浮かべ、ハイタッチを交わして。
「こんなに上手くいくとは思わなくて」
「はは、そりゃ同感」
ラディスは苦笑いを浮かべるルイージの手を掴むと、ぐいと引いて起こした。