第三章



凄まじい音を立てて地面に衝突し、砂埃が上がった。ラディスは少し咳き込みながらも、そろそろとヴァルバジアに近付いて。

「ラディス」
「分かってるよ、ファルコ」

まだ、安心はできない。

ヨッシーの肩に腕を回して着地したファルコにそう返して、ラディスはぴたりと立ち止まった。間もなく、砂埃は晴れて。

「……そいつ」

カービィは地面に降り立つと、ぴくりとも動かないヴァルバジアを見つめた。

「本当に」

次の瞬間である。ヴァルバジアが頭を起こし、ラディスに襲いかかったのだ。

瞼を瞑り、思わず棒立ちになるラディス。

「ラディス!」


ファルコの声が、響き渡る。


「っ……」

ラディスはそっと瞼を開いた。

目の前には大きく口を開いたヴァルバジアの姿があって、もしや時が止まったのかと錯覚したが。……決してそうではなく。
 
 
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