第三章



「ぬあぁああ!?」

思わずそんな声も出る。

無防備で空中に放り出されてパニックを起こすラディスに対し、カービィは。

「うっさいなー」

と、溜め息を吐き出して。

「何で冷静なんだ! この状況で!」
「あんた、普通に飛行機の羽根に乗っかってたくせに」

カービィはぐいとラディスを引き寄せると、空中で抱きかかえて。そのまま地面に向かって降下し、難なく着地。

「はい、到着」

カービィはぱっと手を離して。当然、それまで抱きかかえられていたラディスは落下、地面に背中や腰を強く打ち付けた。

「あだっ!」

情けない声。カービィはくすっと笑って。

「あんたって、ほんと――」
「ラディス!」

この声は。

カービィは振り返る。ラディスは腰を摩りながら体を起こし、見遣って。
 
 
55/85ページ
スキ