第三章



「逃げたか?」
「さあ。安心は出来ないけど」

ルイージは服に付着した小石を手で払いつつ、辺りを見回した。その時、ようやく二人の姿が見えないことに気付いて。

「……いない」
「あ?」
「ラディスとカービィだよ!」

そう言われてファルコも慌てて目を配ったが、何処にも見当たらず。

その時、腰が抜けたのか座り込んでしまっているヨッシーに気付き、ファルコは歩み寄った。「大丈夫か」と手を差し出す。

「お前は見なかったか?」

その手を取って立ち上がったヨッシーだったが、次の質問に肩を跳ねさせて。

「……見たんだな」

ヨッシーは小さく頷く。

「二人は?」

次いでルイージが訊ねると、ヨッシーは何故か言うのを躊躇っているようだった。

代わりに、その方向を指差して。

「……は」

ファルコもルイージも目を開いた。

彼が指差したのは大穴だ。震えている彼は嘘をついていない。じゃあ、まさか――!
 
 
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