第三章
そうして訪れた沈黙を掻き切るように、
「いいこと教えといてあげる」
カービィはにっと笑って。
「僕たち戦士はね。消耗品なんだよ」
ファルコは目を開いた。
「結局のところ死んだって、代わりは幾らでもあるんだよ。仲間だとか誇りだとか、そういうのに拘った君たちみたいな」
耳元でわざとらしく、はっきりと。
「戦士(ばか)が、ね」
カービィはようやくファルコから離れて。
誰もが沈黙を余儀なくされていた。
もちろん、彼の言っていることが全て正しいとは思わない。どうして、彼がそうすることに拘るのかさえ理解が出来なかった。
――それでも、何となく分かるのだ。
彼もまた、心に闇を抱える一人なのだと。
「ま、いいよ。僕が先頭を歩いたげる」
カービィはひょいと四人の先頭に出てくると、へらへらと笑い片手を軽く挙げて。
「だから嫌だったんだよ」
ばつが悪そうに呟くファルコ。
……五人は間もなく、デスマウンテンの山頂付近に差し掛かろうとしていた。