第三章



山道に入る直前で、見張りらしき兵士に「止まれ!」と鉄製の槍で阻まれた。

「ここから先は立ち入り禁止だ!」
「いや、俺達は」
「DX部隊の者ですか?」

後ろから口を挟んできたのは、黒いローブに身を包んだ女である。兵士は構えを解くと、敬礼をして。……上官だろうか。

「あ、はい」

ラディスが返すと、その女は五人を順々に見つめた。が、小さく息を吐き出して。

「では、よろしくお願い致します」

今度は深々と頭を下げた。

女がすっと手を横に払うと、兵士は道の脇に退いて。……よく分からないが、とりあえず先に進めるのだからよしとしよう。


デスマウンテンまでは一本道のようだった。地面はごつごつとしていて、どうにも歩きにくい。おまけに火山が近いとだけあって蒸し暑く、汗までかいてきた。
 
 
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