第三章
「期限はないが、あまり長引かせるなよ」
マスターはふっと笑って。
間もなく、ファルコが腕輪型の装置で呼び出したアーウィンが庭の広い場所に降り立ち、自動的にハッチが開いた。
「じゃ、行ってこい」
クレシスにぽんと背中を押され、ラディスは「はいはい」と笑って歩き出す。
コックピットには既にファルコが乗り込んでおり、待機していた。ラディスは初日と同様、ウィングに飛び乗って、
「ルイージ、ほら」
じっと眺めていたルイージに手を伸ばす。
「ぼ、僕はいいよ!」
「怖いのか?」
「こんな髭面でも自分は大事だからね」
拳骨。
「弟をよろしく頼む」
「あ、ああ」
立派なたん瘤を頭に飾り、ぐるぐると目を回しているルイージをラディスは彼の兄であるマリオから受け取って。
「そういえば双子だし、同じ」
「ラディス。何が言いたいんだ?」
「い、いや別に」
チャームポイントだと思うんだけどな。