エピローグ
「いつまで歩くんだよ」
また暫く経ってトゥーンがぼやいた。
「まさか迷ったとかじゃないよな」
「そんなはずないですよ」
リンクはそう答えて、
「ですよね?」
「なんで聞くねん」
話を振られたドンキーは呆れ顔。
「お腹空きましたねぇ」
「僕もー」
「お前さっき食っただろ」
「それはそれ。これはこれ」
ロイは大きく溜め息。
「……おぉーい!」
呼びかける。
「いつになったら着くんだよー?」
「んなもん歩いてりゃ着くっての」
ファルコは気怠そうに視線を遣って。
「急かしやがって……なぁフォックス」
「道は合っているはずなんだが……」
「なっ、お前迷ったのか!?」
「冗談だよ」
飛んできた拳をするっと躱して、
「見えてきたな」
フォックスが示した先には湾曲する木のアーチがあった。その先の景色は、眩く白い光に当てられ正しくは窺えないが。
「……?」
柔らかな風が運ぶ。
「あっ」
黄色の花びら。
「リュカ!」
真っ先に駆け出したその子の背を、子供たちが慌ただしく追いかける。
「元気な奴らだぜ」
「まあいいじゃないか」
フォックスはふっと笑って。
「俺たちも行こう」
「……だな」