エピローグ
ここは賑やかな通りからは少し離れた所にあるだんご茶屋。
「ありがと。ごちそーさま」
暖簾を捲って中から出てきた店員を横目に咥えていた串を皿の上に置き、ビニール袋と釣り銭を受け取るのはカービィだった。同行していた剣士組一行はそれを確認すると立ち上がって。
「なに買ったんだ?」
歩きながらロイが訊ねた。
「塩饅頭」
「渋いですね」
カービィは提げた袋を揺らして。
「それだけで足りるのか?」
「なに言ってんの」
疑問符。
「これラディスのだよ」
「ええっ」
「じゃなきゃ二個とかおかしいでしょ」
カービィは呆れ顔。
「塩饅頭好きだったっけ」
「さあ」
ロイは思わず転けそうになった。
「さあって」
「いらないなら貰うだけだし」
「それなら残りませんね」
リンクが小さく笑う。
「化けて出るのかよ」
「出るかもよぉ?」
「やめろって」
幽霊を真似て両手を垂らし、青白い人魂を背景に不敵な笑みを浮かべて振り返るカービィにロイを除く一同はくすくす。