第二章
……この、特殊能力の使用禁止、というのは簡単に見えて実は難しい。
子供でなくとも、身の危険が迫ると反射的に発動してしまう者もいるのだ。
特にピチカ、リュカは能力の扱いが未熟な割に強力なので、注意が必要である。
「今確認したら、皆の荷物は別荘に入ってすぐのホールにまとめて置いてあったから……各自、くじ引きで引いた紙切れに記された番号と、同じ番号が記された紙の貼ってある部屋に、自分で運んでください」
最後、ルーティは咳払いして。
「――それでは解散っ!」
話が終わると、ルーティはウルフの元へ駆け寄り。ルーティは人前に出ることに慣れていないので、顔が赤くなっており。
「顔から火炎放射するとこだった」
「殺す気か」
こういう時、ウルフのストレートなツッコミは心が安らぐ。ルーティは笑みを溢し、ウルフと共に別荘の中へ入っていった。