第二章
ようやく、バスは海沿いの市街地に辿り着いて。……どうやらここまでらしい。
「えーっ! 歩くのかよぉー!」
「文句言うてないで歩く! はいっ!」
唇を尖らせながらバスを下りるディディーの背中を、ドンキーがぽんと叩く。
全員がバスから下りると、バスは元来た道を引き返していき。ここは海沿いなので、砂浜で遊ぶ人達がよく見える。
――海で遊ぶのは、明日がいいな。
「そういえば」
ふと、ソニックを見つめながら。
「海は泳ぐの? 水が苦手って……」
実はソニックもネロ同様、水が苦手。
まあ彼の場合、音速の足を持っているお陰で水上を走れるので、本当に水に触れたがらないネロより症状はマシと見られる。
「俺は入るぜ?」
すると、ソニックはにこりと笑って。
「これを機会に克服したいしさ」