第二章
「あらっ」
窓から見える景色を堪能していたその頃、何やら異変に気付いたリムが声を上げて。
ルーティは不思議そうに、背凭れからひょいと前の席のリムを覗き込む。
「え、何?」
「だって……ほら」
リムは反対の席に座っているユウを指差して。見れば、珍しくユウは隣に座っているリオンに身を預けているのだ。
「もしかして酔ったのかい?」
その後ろの席に座っていたマルスが、背凭れから顔を出して。確かに、ユウはぐったりしていて、顔色もあまり良くない。
「襲わないんだな」
ぽつりとアイク。
……そういえば、リオンはいつもユウに足蹴にされているのだから、これはこれでチャンスのような気もするのだが。
「いや」
すると、リオンは妙にキリッとして。
「さすがの私もスカトロプレイは好かな」
「ストレートに言うな」
気付いたユウがそれ以上言わせまいと、リオンの頬を弱々しく抓った。