第二章



「あらっ」

窓から見える景色を堪能していたその頃、何やら異変に気付いたリムが声を上げて。

ルーティは不思議そうに、背凭れからひょいと前の席のリムを覗き込む。

「え、何?」
「だって……ほら」

リムは反対の席に座っているユウを指差して。見れば、珍しくユウは隣に座っているリオンに身を預けているのだ。

「もしかして酔ったのかい?」

その後ろの席に座っていたマルスが、背凭れから顔を出して。確かに、ユウはぐったりしていて、顔色もあまり良くない。

「襲わないんだな」

ぽつりとアイク。

……そういえば、リオンはいつもユウに足蹴にされているのだから、これはこれでチャンスのような気もするのだが。

「いや」

すると、リオンは妙にキリッとして。

「さすがの私もスカトロプレイは好かな」
「ストレートに言うな」

気付いたユウがそれ以上言わせまいと、リオンの頬を弱々しく抓った。
 
 
13/47ページ
スキ