最終章
X部隊に入隊した当初こそ十六歳という可愛らしい年齢だったが誕生日を迎えた今は当たり前だが立派に十七歳である。昔はこれが身長と似たものだと勘違いしていたばかりに幼馴染みのスピカを相手に「いつか絶対抜かしてやる!」なんて強気に指差してムキになっていたものだが今になって思えば無理なんだよなぁ……それはさておき。
「君を愛してると誓うよ」
「もう二度と泣かせたくないんだ」
珍しくデュエットをしているユウとリオンに。
「ヒューウッ!」
「二度と泣かせんなよー!」
合コン二次会の会場ですか?
「ず、随分と飲んでるんだね……」
連れられてきたまではいいもののロイと一緒になって合いの手なのか野次なのか判別の難しい言葉を投げるカービィを目にルーティは思わず苦笑を浮かべながらメタナイトに話しかける。
「いいんじゃないか」
メタナイトはふっと笑みを零した後、
「カービィ! 次は私と歌うぞ!」
「イェーイ!」
それは別荘が崩壊するのでは?
「メタナイトは駄目だよ」
差す影に気付いて顔を上げれば。
「さっきしこたま飲まされていたからね」