第六章



「次、回りましょうよ」
「えー」
「臆病者を眺めるのは飽きたんだもの」

くすくすと笑うシフォンに、ローナはとてもじゃないが不服そうで。が、誰も名乗り出ないのを見れば、溜め息を吐き出し、

「じゃあ適当に回ろっかなー……」
「僕、やるよ」

ルーティはぽつりと呟いて。

「えっ」
「僕がやる!」

今度は大きな声で、兎のぬいぐるみを強く抱き締めながらずいと前に出る。

「わ、分かった、から」

ローナはどうどうと両手を挙げて。

「近いんだけど……」


――というわけで。

「必見! 濡れちゃう、ロリショタの金魚すくい対決ーっ!」

リンクが元気よく声を上げながら拳を振り上げると、その場に居合わせた一般の客は盛大な拍手と歓声で応えて。

「な、何や危ないタイトルやな」
「いいんです。こうなったら楽しみます」
「吹っ切れとるな」
 
 
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