第六章
その時、ちょうど向こう側から歩いてきたのはウルフとルーティである。
「うぐ、ぐ……にゃああー!」
「何してんの?」
そして運悪くも彼らに背を向け、気付かないままドンキーから受け取った猫のお面を顔に付けては、何とかの仮面のように苦しそうに呻き、声を上げるリンク。
ぴたり、立ち止まったルーティに声をかけられれば本人は硬直。お面を付けたまま、ぎこちなく、ゆっくりと振り返る。
「おー、満喫しとんなぁ」
綿菓子を片手にしているルーティを見て、ドンキーはリンクの正面からひょいと顔を出す。リンクは未だ、黙ったままで。
「しかもそれ、可愛ええぬいぐるみ! 何かの景品? よう似合うとるわ」
「そ、そうかなぁ……」
ルーティは照れ臭そうに笑ってウルフを見上げたが、肝心のウルフはふいと顔を背け、視線を交わそうとはせず。