第六章
「……何やど偉いこと聞いたな」
「ですよね」
暫くしてドンキーがぽつりと返せば、リンクは苦笑いを浮かべた。次の沈黙が訪れる前に、リンクは言葉を紡ぐ。
「で、どうでした?」
「それ聞くんやったら自分から」
「俺は好きでしたよ」
遮るように、リンクはにこやかに答えて。
こういった答えにくい質問は、例え同じ答えでも言ったもん勝ちだと思う。
「……ま、俺もそんなとこ」
「おや。それは悲しいですねぇ」
「ゆうとけ。阿呆」
また、二人が暫く歩いているとお面屋を見つけた。お面といえば! とばかりにドンキーが視線を向ければ、リンクはやれやれと小さく溜め息を吐き出して。
「おっ、猫のお面!」
ドンキーは早速、お面を手に取って。
「変身しませんよ」
「やってもないのに諦めたらあかん!」
「誤訳ですね、呆れてるんです」