第四章



よくあるパターンではあるが。

「……誰?」
「俺だよ!」

此処は脱衣場。

赤い髪が栄えるこの男、いつの間にやら真っ黒に日焼けしているがネロである。

ルーティとは入れ代わりで既にシャワーを浴びてきたらしく、腰にはタオルを巻いている。リオンはずいと前に出てきて。

「褐色! 萌える!」
「帰れ」

ジト目になってすかさず返すネロ。

ルーティは苦笑を浮かべながら着替えを置くと、脱いだ服と水着を籠の中へ。


「ぎゃああぁあ!」

風呂場に足を踏み入れた途端、これだ。

奇声の犯人はディディー。声を上げながら出入り口まで逃げてきたが、目に付いたルーティに抱きつくと、振り向いて。

「ディディー! 我慢せえ!」

シャワーのノズルを手に叱るのはドンキーである。……なるほど、理解した。

どうやら彼は、日焼けが痛いらしい。
 
 
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