第四章



「いっ如何にも!」

リオンは思わずルーティの手を離すと、こくこくと頷きながら痛みに悶えて。

「ど、どうしたの?」

明らかに何か隠している。

目を丸くするルーティを前に、フォックスはにこりと笑ってリオンをようやく解放。

「何でもないさ。なっ? リオン」
「くっ、秘め事か……私が秘密をバラしたその暁には是非お仕置きを」

胸を手で押さえながら別の意味で悶えているリオンの横で、フォックスは黒いオーラを纏っていく。話を逸らすように、

「そうだ! ルーティ、風呂!」

ぱんっ、とロイが手を打つ。

「え?」
「だってまだ水着だろ。洗わないと」

そういえば。

自分は今でこそ服を着せられているが、それは水着の上からである。髪だってかさかさだし、シャワーだけでも浴びたい。

「そうと決まれば、風呂! なのだな!」

リオンはガッツポーズ。……嫌な予感が。
 
 
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