第四章
そこに立っていたのはリオンである。
「ルーティ殿が目覚めたと聞いて!」
何処情報よ。
誰かが聞き耳を立てない限り、この部屋から出た人間は一人もいないので、ルーティが目覚めたことに気付くはずがない。
……聞き耳、か。リオンならずっと部屋の外で待っていそうな気がする。
「た、確かに起きました、けど」
「おおっ!」
ルーティがおずおずと片手を挙げると、リオンは瞬時に詰め寄ってはその手を取り。
「して、その味は!」
何を言っているんだろう。
最近、リオンの言っていることの約半分以上が分からなくて辛い。ルーティが苦笑を浮かべ、答えに困っていると。
「海の水はしょっぱいです」
いつの間にかリオンの後ろに回り込んだフォックス、不自然な口調で話しながら拳でリオンのこめかみをぐりぐりぐり……