第四章
「気にするなよ」
フォックスはルーティの頭をそっと撫でると、微笑を浮かべては立ち上がった。
窓辺へ向かい、開いていた窓を閉める。
「……僕って」
ルーティが話を切り出すと、カーテンを閉めようとしたフォックスの手が止まった。
「溺れた、よね」
――沈黙が訪れる。
ルーティは戸惑った。自分はもしかして、とんでもないことを聞いているのでは。
「んん……っ」
その時、隣で眠っていたロイが小さく呻き、目を覚ました。もしや起こしてしまっただろうか、とルーティは首を傾げる。
「ぉ、ルーティ……もう大丈夫なのか?」
ロイは眠たそうに瞼を擦りながら、のっそりと上体を起こす。ルーティは笑って、
「うん。……それより」
バンッ!
扉が勢いよく開かれた。