第四章



幸い、特別泳げない訳ではない。

ルーティは水を掻き分けるようにしながら徐々に海の中に入っていくと、一度、大きく息を吸ってから海の中へ。

「ん……」

ゴーグルもしないまま無謀かと思ったが、さすがアクエス。水の中は思っていたより澄んでいて広く見渡すことが出来た。

ルーティは一度海面に顔を出して深呼吸をすると、再び、大きく息を吸って海の中へ。――早く、見付けなくちゃ。


あれは大切な父さんの形見なんだ!


「んっ」

そう思った矢先だった。

ゆっくりと海底へ沈んでいくペンダントを見付け、ルーティは急いで泳ぐ。

ぐっと手を伸ばしてペンダントを掴み、ひと安心。何だかんだでペンダントを取り戻せたのだ。これはこれで良しとしよう。

そう思って海面へ戻ろうとした、その時。
 
 
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