第四章
「くっ」
間に合わず、一点を奪われる。
クレイジーがボールを拾っている間に、フォックスとファルコは交えるように手を打って。……まあ、さすがに簡単すぎた。
「ありゃあ圧倒的だな」
審判役のマリオさえ苦笑。
「これなら取り戻せるかも」
マスターやクレイジーには悪い気もするが、ルーティは密かにガッツポーズ。
現在、ペンダントはタブーが首に掛けている。ルーティは彼が逃げ出してしまわぬよう、隣で見張っているのだ。
「とりもどす……たいせつ、だから?」
「うん」
小首を傾げるタブーに、ルーティは頷いてみせる。タブーはペンダントを見つめて、
「たいせつ……」
――その頃、コートの方では。
「しっかりしろよ? 神様」
「これは失敬」
マスターはふっと笑って。
「すぐにそうも言ってられなくなるさ」