第三章



「それより、何処行ってたの?」

ルーティが訊ねるが、ウルフはふんと鼻を鳴らすと無視して先を歩き出して。

……やっぱりまだ機嫌が悪いみたい。大方、気晴らしに散歩でもしてたのだろう。

あの時ちゃんと応援していれば敗北しなかったかも、なんて自意識過剰に走ってみる。ルーティが溜め息をついていると。

「何をしている」

立ち止まったウルフが振り返って。

「戻るんだろ。さっさと歩け」

あくまでも素っ気なく告げて、再び背中を向けて歩き出す。ルーティは黙々とかき氷を食しているゲムヲの腕を掴むと、

「待ってぇ!」

小走りでウルフを追いかけるのだった。


「――終わったの?」

ルーティ、ウルフ、ゲムヲの三人が元の場所に戻る頃には、もうあの恐怖のビーチフラッグ対決は終わっていて。

よかった、と安心したのも束の間。
 
 
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