第三章



「どの味にしよっか」

ルーティが訊ねると、ゲムヲは……これはまあ、無難といったところか。迷わずメニューのイチゴ味を指差して。

「ん。……すいませんっ! かき氷のイチゴ味を一つください!」
「はいよー」

男性店員はにこやかに対応し、手際よくかき氷を作り始めて。……こんな何でもないことだけど、何故だか心が和む。

執拗に照り付ける太陽も、吹き抜けていく潮風も。夏という夏が、戦いで疲れきった戦士達の心を癒してくれる――

「かっわいー!」

突如、女性の声にルーティは現実に引き戻されて、大袈裟に肩を跳ねさせる。

振り向くと、そこには見知らぬ女性が三人。金髪で派手なメイク、肌は少し焼いていて……これはまさか、ギャル?

にしても、何が可愛いんだ? ルーティは訳が分からず、疑問符が飛び交って。
 
 
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