第三章
「が、……頑張っ」
やはりこういうのは言ってみるべきだ。
そう思って勇気を振り絞り、声を上げようとするも束の間、二人がフラッグ目掛け飛び込み、砂煙が舞い上がって。
「やれやれ」
次の瞬間、砂煙が晴れると同時にフラッグを手に立ち上がったのはリンクだった。
続いて立ち上がり、ウルフは膝に付いた砂を払うと、さっさと命令しろと言いたげにリンクを横目で睨み付けて。
「分かりましたよ。……と、“命令自由”」
「よくぞ引き当ててくれた!」
リオンが拳を握り、声を上げて。
「足を舐めさせ忠義を誓わせる屈辱プレイから、砂浜のど真ん中で自慰をしろという羞恥プレイまで、危険を顧みず、とことん自由に命令するがいい!」
さすがにそこまでは。
……と思ったものの、相手はリンク。彼はああ見えて内心腹黒いし、リオンが挙げた例を難無く命令しそうで怖い。