第二章



「っ……そんなの、どうやって」

するとベンゼルは左手を真っ直ぐ前へと伸ばし、手のひらに黒い光を宿らせて。

やがてそれは四角い形を象ると、真っ黒な楽譜へと姿を変える。それはベンゼルが左手を切り株の上に置いても、ふわふわと何故か宙に浮いていて。

「音楽がただの娯楽だと思ったら、大間違いさ。これは、それを証明する楽譜」

ベンゼルはひと呼吸置いて。


「“ダークスコア”」


今更、嫌な予感が脳裏を過ってリンクは剣を鞘に仕舞い、立ち向かうことを諦めると背中を向けては駆け出していた。

しかし、遮るようにリンクの目の前にアイクが立ち塞がる。右へ逃げようとすればマルスが、左へ逃げようとすればロイが立ち塞がって。リンクはたじろいでしまい。

ぐっと奥歯を噛み締め、数歩後退りして振り向くとそこにはゼルダがいて。

リンクが動き出そうとするよりも早く、アイクが後ろからリンクを羽交い締め。
 
 
28/34ページ
スキ