第二章
「君も仕組みは分かっていたのだろう?」
その言葉に、リンクはごくりと息を呑む。
――ダークリンクが操られているのは、あの目を見れば確かだ。それに加えて此方の肉体を欲するということは……言うまでもなく、あの四人の体にはダークシャドウが憑依しているというわけで。
しかし、そこまで分かってはいても一つの肉体を二つの魂が共有することは可能なのだろうか。漫画やアニメじゃあるまいし、何らかの拒否反応が出るはずだ。
「なぁに、簡単なことさ」
するとベンゼルはリンクが訊ねるよりも早く、足を組み直してはふっと笑って。
「本物の魂には醒めることのない悪夢を魅せ、無制限の眠りを与える。空っぽも同然の肉体に彼らダークシャドウを放り込めば、後は簡単な話さ」
……とはいえ、おかしな話だ。
何かを企んでいるはずの人間が、こうも簡単にぺらぺらと喋ってもいいのだろうか。
確かに、良い情報にはなるのだが。