第二章
タブーは暫し黙り込み、自分の記憶を辿った。そして、何故か小首を傾げながら。
「しずかにねむらされていたよ」
この発言から察するに、スピカは何者かに故意に眠らされたということ。段々と事情が読めてきたが、あまり穏やかではない。
これは推測だが、眠らされたスピカをダークウルフではなくダークリンクが連れ出したということは、ダークウルフは何かの事件に巻き込まれたのだと思う。
いや、恐らくは敵の足止めをしながら「リーダーを連れて逃げろ」とでも言ったのではないか。そうしてダークリンクが逃げている最中に、タブーに出会した……
あくまで推測だ。もし、本当だとしたら。
「ウルフ」
ルーティが不安げな視線をウルフに送ると、ウルフもルーティと同じような予想をしていたのか、黙り込んでいて。
「……じゃあ、ダークリンクは?」
そういえば、スピカを連れ出した犯人である彼が見当たらない。彼に訊ねれば、重要な情報を得ることが出来そうなのに。